原画情報: |
84.0×102.5
明治21年(1888)
東京国立博物館
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作者紹介: |
浅井忠(一八五六~一九〇七)は、近代洋画の先覚者として知られ、黒田清輝と並び、わが洋画壇に与えた影響は大きい。工部美術学校に入学して、イタリアの画家・フォンタネージに油彩画を学び、自然主義的な画風を身に付ける。この作品は、そうしたフォンタネージの影響を受けながらも、重厚な自然あふれる世界を浅井独自の視点で構成している。前景には早春の麦畑が開け、農夫の家族が農作業に励んでいる。湿り気を含んだ畑の土は黒く軟らかい。背後には藁葺屋根の農家が立ち並び、ところどころには白梅の花が咲き始めている。土の香りの漂うのどかな農村風景を素直にとらえたこの作品は、浅井の初期の作品で、第一回明治美術会展に出品された。明治美術会の中心画家として活躍した浅井は、その後フランスに留学。帰国後は関西洋画壇の重鎮として、多くの後進を育てた。 |
作品紹介: |
本作は明治二十一年に描かれ、翌年の第一回明治美術会に出品された作品で、画面上下を明暗の色調によって対比させ、繊【こま】やかな調子で農村の日常生活を情趣深く表現した傑作である。既指定に「収穫」(第二回明治美術会出品)がある。
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